香水レビュー:Maison Margiela Replica(メゾン マルジェラ レプリカ)

こちらの記事を読み始める前に、「香水レビューについて」の投稿にさっと目を通していただくとわかりやすいと思います。

さて、メゾンやニッチフレグランスに興味があると言っておきながら、香水レビュー第一弾はメゾン マルジェラです。全然詳しくないのですが、マルジェラはファッションブランドですよね。

でもそのメゾン マルジェラが出しているレプリカシリーズは、

ファッションブランドとしてのマルジェラを知らない私のような人でも

「香水は見たことある!」というくらい有名なのではないでしょうか。



はじめに


私が「レプリカ」シリーズに興味を持った理由は、まずはユニークな香りのテーマ。

香水の香りのテーマって例えばなりたい人物像だったり(都会的な女性、エレガントな女性的など)、香料(ローズの香り、バニラの香りなど)で表現されることが多いですが、レプリカは人の記憶にあるようなシーンを香りで表現しているのが面白いなぁと。


男性用女性用という区分がされていないのもポイント高いですね。

今回はミニセットを購入。

 
 

香りと記憶は強く結びついているもの。

記憶や頭の中にあるイメージを模した香り、だからレプリカ。

そんなインスピレーションとなるシーンの写真がプリントされた、紙の箱に入っております。

 
 

サンプルサイズといえど、スプレー式のボトルになっているのも嬉しい!

自宅で自分の肌で香りを確認したい私にとって、こういうミニサイズが用意されているブランドは本当にありがたいです。


本投稿はPR記事やアフィリエイトではありません。

私の独断と偏見による純粋な感想となっております。


Lazy Sunday Morning

 

Lazyには怠けた、などネガティブな意味合いもありますが、

この場合は「だらだら」とか「ゆったり」過ごす日曜の朝という意味合い。

フレッシュな、白が似合ういい香り。

シリーズの中で人気の香りなのも頷けます。

洗濯物や石鹸から連想するような香りに、主張しない程度にほんのりフローラルとフルーティーさを足したような感じ。

とにかく清潔な香りを纏いたい、というときに最適だと思います。

いい匂いだけれど特徴的な香りではないため、多くの人にとって不快になりにくい香水なのではないでしょうか。

ほのかなフローラルさはありますがユニセックスな香りといえると思います。

昔ながらの男性用香水って、重厚だったりシャープだったりガッツリ香水ですっていう香りが(個人的には)多いイメージでした。

そしてユニセックスといえば甘さ控えめな柑橘系。

それはそれで好きな方もたくさんいると思うのですが、私はこんな清潔感と上品さのあるユニセックスな香り、とてもいいなぁと思います。

ミドルからムスクの効果なのか、香りに暖かみが出てきます。

それによって無機質ではない、人の体温が感じられるようなランドリーの香りへと変化していきます。

By the Fireplace

 

これはシリーズの中でも1番人気と言っていい香りなのでは。

結論から言ってしまうと、私にとって「自分でつけたい!」と思う種類の香りではありませんが、これだけ人気なのも納得。

トップは意外と甘めで、バニラなのかキャラメルなのかスイーツ系の甘さがあります。

同時に、薪のような木の香りが確かにする!

焚き火してマシュマロ焼いたりするのは北米の皆さん大好きですが、まさにそんなイメージ。

これは名前が「暖炉のそば」ですので、

キャンプでの焚き火というよりは

クリスマスシーズンにお家の暖炉のそばであったかいココアやキャラメル系ドリンクでも飲んでる感じなのかなぁ。

ミドルノートはウッディな香りがより顔を出し始め、ラストはまたまろやかなバニラへ。

普段はこういう系統の香りは正直あまり好まないのですが、これはとても好ましく感じました。

自分で付けるかと問われるとちょっと分かりませんが、香りとしてはなかなかに好きなので夫に勧めておきました。

夏場よりは秋冬向けの香りだと思います。

ユニークだけれどクセになる。

木の匂いってなんだか安心する香りですよね。
あったかくて安心できる、そんな幸せなお家を思い浮かべる香り。

Beach Walk

 

甘い南国系の香りといえばココナッツやバニラですが、こちらはフローラルとフルーティーがうまく調和されたような南国系の香水。

ココナッツも入っているのでまろやかさはありますが、あまり激しくココナッツが主張しません。

そのためココナッツが主役の香水を苦手とする私でも違和感なくつけることができました。

甘めではありますが、嫌味がなく使いやすい南国系の香りではないでしょうか。

こちらはミドル〜ラストまで香り方にはさほど変化がありませんでした。

苦手だと思っていた系統の香りが意外にも心地よく感じられてちょっとびっくりです。

Bubble Bath

 

バブルバス=泡風呂、という名前の通り、肌に乗せるとバスグッズのような香り。

日本の温泉や清涼感のある固形石鹸を想像していると、予想以上に甘く感じるかもしれません。

昔ながらの石鹸、ではなく

ホテルにあるアメニティのようなちょっと華のある、まさにバブルバスっぽい香りり。

Lazy Sunday Morning と似た系統だと思います。

Lazy Sunday Morningの方はフルーティーフローラル。さっぱり乾いた後のランドリーを連想します。Lazy Sunday Morningの方がトップがブライト(bright)な分、付けたての広がりが大きめに感じました。

Bubble Bathはフローラル。お風呂の湯気に包まれるような柔らかな心地。こちらの方がトップの香り方がclose to skin、肌からの距離が近い香り方な気がしました。

Replicaの香水はどれも性別関係なく使えるように作られていますし、

性別でカテゴライズするのは好きじゃないんですが、

比較を文字で表現する際に伝わりやすいこともあるのであえていうならば。

Lazy Sunday Morningがよりユニセックス寄りで、

Bubble Bathが若干女性寄りの香りだと思います。

でも男性がBubble Bathを使うのはもちろんアリです。(個人的には、清潔感があってきちんと身なりを整えた大人の男性がフローラル系の香りを上手に纏ってたら、ものすごく上品だと思う。)

Coffee Break

 

こちらも人気の香りですよね。

香りの系統は秋冬向け。

私の肌ではコーヒーっぽさよりもバニラが強い印象。

でも「歩くお菓子」みたいにはならないのはやはりコーヒーやスパイスの渋みが隠れているからなのかな。

私は元々バニラ系をあまり得意としないのですが、この香りが好きな人はたくさんいるだろうと予想できる香り。

好きな人にはとっても響く香りだと思います。

甘いのが好きだけど、ちょっと落ち着きや大人っぽさが欲しいという方にピッタリかも。

男性が付けても違和感のない中性的なバニラだと思います。

このミニセットを買った時は春〜初夏だったこともあり、甘い香りだなぁ…という印象が強かったのですが、これを書く際にもう一度試してみたらもっと心地よく感じました。

やっぱり気温や湿度なども感じ方に影響しますね。

Sailing Day

 

アクアノートやマリン系の香りって場合によってはツンと感じたり人工的な香りが主張したりしませんか?

そのため本来あまりマリン系は好まないのですが、Sailing Dayは大丈夫でした。

トップノートにほんの〜りスイカっぽさが感じられるからかな?

とはいえ甘さはほとんどなく、どこまでも爽やか。

間違いなく夏の太陽が似合うさっぱりした香りです。

甘さがないゆえどちらかというと男性向けなのかなという気もしますが、尖った感じがしないのでこれは女性でも好きな方たくさんいそう。

Autumn Vibes

 

Earthy(アーシー)、ウッディ系。

こちらも甘さがないのでどちらかといえばマスキュリン。

私の中でマスキュリンな香り=強くて酔いやすいという偏見があるのですが、Autumn Vibesはワンプッシュなら大丈夫でした。

同じウッディ系のBy the Fireplaceと比べると、

Fireplaceの方に甘さと若干のスモーキーさがあるのに対し、

こちらのAutumn Vibesはひんやりとした低い気温の日に木々の中を歩いている感じ。

名前は「秋の気配」とか「秋の雰囲気」ですが、夏場でもいけそうなスッキリ感。

でもやっぱりぐんと気温が低くなった季節に外を歩くときにつけるのが一番向いてるかなぁ。

媚びる感じも可愛らしさもない「凜とした木」という感じなので好みは分かれるかも。

ただものすごく重厚な香りとかではないので、付け過ぎにさえ気をつければ周りの迷惑にはなりにくいのではと思いました。

Springtime in a Park

 

トップはメインがフルーツ系フローラル。

つけた瞬間は多少パウダリーっぽい甘い感じはしますが軽やかで、爽やかさや初々しさのある素敵な香り。

気取った感じのない柔らかなフローラルです。

ミドル〜ラストはもっと直球なパウダリーへと変化。

パウダリーと一言で言っても、まろやかなもの、肌を包み込むような温かみのあるものとか色々あると思うんですが、こちらは化粧品っぽい系統のパウダリーに感じられました。

パウダリー系の香水は一定の人気があるので、パウダリー&フローラルがお好きな方は試してみる価値ありだと思います。

私はパウダリー耐性が低めなので、最初(初夏)に試した時はラストのパウダリーがあまり好みではないかなぁと感じたんですが…

トップが素敵なので、冬場もう一度試してみてもいいかなと思っています。

気温が違うと感じ方も異なりますし。

Under the Lemon Trees

 

トップは軽やかで爽やかな香り。

レモンの果実だけではなく、木や葉も感じられるような香りです。

甘さがほとんどないゆえ、ややツンとする印象も。

ミドルからは徐々にお茶っぽい香りが出てきます。

私の肌では、ラストになるとツンとした感じが強く出てきてしまい、そこが少し苦手でした。

Jazz Club

 

こちらはスモーキー、スパイシー、ウッディ系が好きな方に人気の香り。

(まだ室内の禁煙が進んでいなかった時代)ウィスキー飲んでタバコを燻らせて、みたいな昔のジャズクラブを再現した香り。

かなりスモーキー。

ウッディ、スモーキー系でいうと、By the Fireplaceの方が断然軽く苦味が少ないので私の好みでした。

逆に重い&苦いのが好きな方にはJazz Clubの方がいいのかも。

苦味強めなタイプの香りは今まであまり嗅いでこなかったので、他のものと比べてどうという比較ができないのですが、ユニークな香りではあると思います。

ジャズクラブってそれだけで大人な響きですよね。

カナダの地元にあるジャズクラブはもちろん禁煙だからスモーキーさは皆無。(カナダはレストラン、オフィスなど公衆が利用する全ての屋内で喫煙禁止です。)

お酒頼まなくても大丈夫だし、客年齢層高めで皆さん小綺麗な格好ではあるけど基本はカジュアルに音楽を楽しむって感じでムーディーさはあまりない。(ジャズは詳しくないけどとても好きなのでコロナ禍以前に何度か足を運びました。)

ブルーノートとか名だたるジャズクラブはもっと大人の夜遊び、って感じの雰囲気なのでしょうか?

行ってみたい。

Whisper in the Library

こちらはミニセットには入っておらず、店頭のテスターで(夫が)試したのみですが一応載せておきます。

紙に吹き付けた時は、図書館というテーマ通り本当に紙のようなとってもユニークな香りで、「おぉっ!」と思ったのですが、夫の肌につけてみたらほぼバニラオンリーな感じで残念。

きっと人によって違うと思うので、肌の上でもちゃんと紙の香りが出てくる人がいたらちょっと羨ましい。

肌につけて確認するのって本当に大事だなと改めて実感した香りでした。


最近少しバニラが大丈夫になってきたので、再検証するのもありかもしれません。


まとめ


「レプリカ」シリーズの香水は全体的にしっかり香る系のものが多い印象でした。

いつも香水はワンプッシュしかつけませんが、それでもちょっと多いかもと感じるものがいくつか。


ほのかに楽しみたい方は

手首や首筋など鼻に近い部分ではなく、

お腹とか脚(腿や足首)など、

鼻から遠ざけてつける方がいいかもしれません。

お腹など洋服で隠れる部分につけると拡散力も若干抑えられますし。


私が一番いいなと思ったのは、Lazy Sunday Morning。

意外や意外、結構気に入ったのが、By the Fireplace。


ですが残念ながら、今回はボトルで買いたい!と思えるものには出会えませんでした。

ただ香水って、季節が変わったり心境が変わったりすると受け止め方もまた変わるもの。

もしかしたら何年か経って戻ってきた時にすごく好き!となる可能性もなきにしもあらず。


久々の香水探し、第一弾として購入したこのミニセット。

いろんな系統の香りが入っているので、普段買わないような香水も含め色々試せてとても楽しかったです。


一通り試してみて思ったのは、

10代〜20代位の頃から引き続き

優しい・軽い・普段使いできる香りが好きなのは変わらず。


ただ当時苦手だと思っていた、

ココナッツやバニラ、ムスク系が意外と好きになってるのかもしれないということ。


今もお菓子のような濃厚な甘さ(グルマン系)は苦手だけれど、

バランスが取れた甘みは昔よりも好きになっているのかもしれないです。

この辺りは引き続き検証していきたいと思います。

Replicaは10 ml、30 ml、100 mlと大きさが選べるのが嬉しいですよね。

ニッチフレグランスは100 mlくらいの大きめボトルのみなんてことも多いのですが、デザイナーフレグランスの多くはサイズの選択肢がある印象。

それもデザイナーフレグランスのいいところの一つだと思います。


後日談:

By the Fireplaceのキャンドルを購入しました。

夫も、薪のような香りを気に入ったのですが

これは香水よりもキャンドルの方が好きな香り、

というところに落ち着きました。

あまり強く香ることもないので気に入っています。

これからのホリデーシーズンにピッタリなキャンドルだと思います。



Nov 1, 2022

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