渋ピンクのボーダーセーター

カナダ(北米かな?)の編み物界では手染め糸、それも個人や小規模のインディーブランドが大人気。もちろん大手メーカーの毛糸も安定して人気がありますが、手染め糸は根強いファンが多いです。

カナダのBC州発の『Sweet Fiber』もそんなインディーブランドの一つ。コロナ禍以前に行われていた大規模な編み物フェアではいつも行列ができるくらいの人気ぶりです。

以前ここの毛糸を使って三角ショールを編んだことがあるのですが、これがまたうっとりする手触りで。今回は色違いの毛糸でセーター(プルオーバー)を編みました。

 
 

毛糸: Sweet Fiber Cashmerino 20、色は Tea Rose (3カセ)と Vintage Lace (1カセ)

パターン: Autumn League Pullover by Alexandra Tavel

使用した針: 3.0 mm と 3.5 mm (Addi circular)

今回使用した編み図「Autumn League Pullover」は DK Weight (合太〜並太)向け。私が選んだ「Cashmerino 20」というベースの毛糸は Fingering Weight (合細〜中細)程度。

指定糸とは太さが違うので、当然パターンのゲージとは合いません。

パターンは10cmにつき19目24段、私のゲージは10cmにつき22−23目35−36段程度でした。

普通なら一つ大きめのサイズを編んだりして対処するのですが、今回はそのままM/Lサイズを編むことに。

このパターン、かなりゆとりがあるデザインだったようなので、指定より小さく仕上がってもおそらく大丈夫だろうと。

 
 

元のパターンは首周りから脇まではトップダウンに輪状に編み、脇より下はそれぞれのパーツを平らに編んで、最後に縫い綴じる構造。

今回私はボーダー模様を入れたため、ピシッと模様の位置が合うよう最初から最後までトップダウンで輪のまま編み進めました。

 
 

首元のデザインに惹かれたのが、このパターンを使用した決め手!スウェットシャツによくありますよね、このV字デザイン。

編み図では襟ぐりのゴム編みは折り返して二重に編むようになっていますが、私は一重で。襟元をなるべくスッキリとさせたかったので折り返しは避けました。

 
 

普段、ピンクは滅多に選ばないんです。でもこのTea Rose色はなんだかすごく惹かれて。Sweet Fiberが染める糸はどれも本当に深くて奥行きのある美しい色だから、苦手意識のある色でも思わず手に取ってしまう魅力があります。

あとこのピンク、ぱっと見モーブっぽい落ち着いた優しい色合いなんですが、よく見ると意外と黄色が混じったピンク。そのためか、私の肌によく馴染んでくれます。

甘くなりすぎないようできるだけスポーティーな要素を加えたくて、身頃にはボーダー、襟元にはV字デザインを選びました。

 
 

手染め糸の宿命、それと同時に魅力でもあるのが1カセごとに微妙に異なる色や濃淡の表情。

その違いがはっきりと浮かび上がらないよう、異なるカセを1段ごと交互に編んでいく方法もあるのですが、今回はそれをしませんでした。

1段ごと交互に編んでいくということは、編み込み模様の時と同じように2つのカセを絡まらないようやりくりしつつ編んでいくということ。それがちょっとめんどくさくてですね。今回はとことどころ色の違いが出るのを承知でそのまま編みました。

これって、お裁縫の柄合わせと同じようなものだと個人的に思うんです。その作業が好きな方もいると思うし、絶対手を抜きたくない!っていう気分の時もあると思う。そういう時は大いにこだわればいいし、逆に好きじゃない・楽しんでできないなら無理にしなくても良いというのが私の考えです。

静止画だと色の違いが結構はっきりとわかりますが、実際動いていたら多分そんなに気にならないと思います。

 
 

裾はスリット入りのデザイン。後ろだけちょっと長く編んでも良いかな?と思ったのですが、毛糸の残量がギリギリだったので辞めておきました。

セーターを編んだのは結構久しぶり。過程も楽しかったし、出来上がりも満足!

 
 

この毛糸、柔らかくて軽くて本当に心地よい〜!70%メリノ、20%カシミア、10%ナイロンです。

細い糸を使うため、薄手のニットに編み上がります。モコモコ暑すぎるということもなく、室内が基本暖かいこちらでも快適に着られるはず。

 
 

今シーズンはプルオーバーを後2つ・カーディガンを1つ編めたら良いなぁと思っています。春が来るまでにそんなに編めるかはわかりませんが、とりあえず1つ編み上げることができてよかったです。

Nov 27, 2021

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