香水レビュー:Diptyque(ディプティック)
今回レビューするのはDiptyqueのディスカバリーセットです。
Eau de Parfum版が出ている香りもありますが、今回私が試したのは全てEau de Toiletteになります。
ディスカバリーセットはこんなおしゃれな紙の箱に入っています。
高級感もあってとっても素敵。
ボトルはそれぞれ7.5 ml。このくらいの大きさがあるとスプレーしやすいですし、フルボトルを購入した際の香りの広がりとも差が少なくて嬉しいですよね。
箱にはカードが添えられており、
「伝統的なジャンルやジェンダーの垣根を超えた香りの旅」
というようなことが書かれています。
こうしてはっきりと「性別問わず誰でも好きな香りを」という姿勢を示してくれるブランド、好きだなぁ。
箱もボトルも香りも、高級感たっぷりでとてもワクワクするディスカバリーセットです。
(なお本投稿はPR記事ではありません。記事内のリンクもアフィリエイトではありません。)
Do Son(ドソン)
ドソンはチュベローズがメインのホワイトフローラル。
チュベローズは香水にはよく使われるそうですが、お花に詳しくない私はそれまで全然知りませんでした。
ローズと名がつくものの、バラの仲間ではなくリュウゼツラン科の植物だそうで、日本語では月下香と呼ばれるそうです。
そんなチュベローズは甘く妖艶な香りが特徴だそうですが、こちらのドソンはどっしりとした重さはありません。
尖った感じのない柔らかな、まろやかな甘さのあるフローラル。でも華やかで暖かな気候が合いそうな開放感や軽やかさもあります。
そのためどちらかといえば春夏向けでしょうか。
このセットの中では一番ソフトな丸みのある香りだと思いました。
パウダリーさはなく、あくまでもクリーミーなまろやかさです。
キツすぎない、妖艶すぎないフローラル好きとしては、このドソンもかなり好みでした。
Eau des Sens(オーデサンス)
主な香りのノートは、オレンジブロッサム、アンジェリカルート、パチョリ、ジュニパーベリー。
フローラルにカテゴライズされてますが、一般的なお花の香りというよりは、フローラルウッディといった方がわかりやすい気がします。
付けたてはオレンジブロッサムらしさもあり、ちょっと入浴剤のような印象の柔らかさ。ミドル以降はアーシー&ウッディな香りがメインとなり、中性的になります。
爽やかで清潔感がありながらも、弾けるような元気さというよりは、昼下がりにまどろむようなソフトさ。
もしくは幻想的な夏の夜を連想するような香り。
ただ、私には合わないようで何かに酔ってしまうんです。アンジェリカルートの香りかなぁ?
オレンジブロッサム自体は好きな系統の香りですし、付けたての入浴剤のような感じも好きなだけにちょっと悲しい…
何かが少し違っていたらすごく好きな香りだったと思うのですが、その「何か」に酔ってしまうため付けられなそうです。
とても評判の良い香りですので、甘いだけじゃない清潔感がありながらも落ち着く香りを探している人は試す価値ありだと思います。
ルラボのTubereuse 40に若干似ているような気がします。(ルラボのTubereuse 40は酔いませんでした。)ただルラボの方のラストはパウダリームスク、こちらのオーデサンスは最後はアーシー、という違いがあります。
Eau Rose(オーローズ)
ローズとライチの香り。
パウダリーさのない、フレッシュでグリーンな瑞々しいバラ。
ほんのり効かせたライチのおかげで少しフルーティーさがあるのですが、甘さはさほどありません。
とてもバラらしい香りではありますがお砂糖のような甘さはないので、ローズは好きだけど甘くてフェミニンなのはちょっとなーという人でも付けやすいと思います。
バラの香水の中ではおそらく万人受けしやすそうな香りだと思います。
私の肌だと最初はグリーンな感じが強くややツーンとする感じがあるのですが、ラストにかけて柔らかくなっていきました。
これを付けて自宅で運動をしていたのですが、体温が上がってきた時にとても柔らかな甘い香りに変化したのが驚きでした。その時の香りがとても好きだったので、もしかしたら気温が高い時期に身につけると好みの香りになるかも。
体温によって香り方がかなり違うというとても印象的な体験ができた香水でした。
フレッシュながら凛としたバラを纏いたい人におすすめです。
L’Ombre dans L'Eau(ロンブルダンロー)
ローズ、カシス、プチグレンの香り。
カシス(ブラックカラント)のフルーティーさもありますが、メインはグリーンな印象。
想像以上にシャープで、若干マスキュリン寄りな香りでした。このセットの中では一番強めに香るように感じました。
シャープでクリーンな香りなので、キリッと決めたい時に良さそうです。
私の場合、手首など鼻に近い部分に付けるとちょっとくらっとしそうなので、つけるならお腹など鼻から遠く服に隠れる場所にすると思います。
大人っぽく、華やかながらも媚びないエレガントな香りです。
Philosykos(フィロシコス)
いちじくの香り。果実だけではなく葉の香りも含めたいちじくの木の香りです。
付けたては特にフレッシュなグリーンさがありますが、次第にまろやかにミルキーな香りに変化していきます。
甘さもありますが、甘ったるくはなくパウダリーでもなく優しい香り。
第一印象は他に嗅いだことのないような珍しい香り、でしたが
とても穏やかで心地いい香りです。
まろやかな甘さがあるものの性別問わず誰でもつけられる香りだと思います。
夫が気に入ってつけていますが、控えめだし清潔感のある香りで男性にもピッタリ。
最近いちじく(調理などをせずそのまま果物として)食べてないので食べたいなぁ。そして果物そのものの香りがどんなだったか確かめてみたいです。
Oyédo(オイエド)
(こちらはディスカバリーセットには含まれていませんが、Nordstromでセットを購入した際サンプルをいただきました。)
日本の江戸からインスピレーションを得たという、その名もオイエド。柚子の香りです。
シャープさはなく、爽やかな甘さのあるシトラス。
シャープでツーンとした感じのあるシトラスは苦手な私でも楽しめる、優しいシトラスの香りでした。
軽く、拡散力も強くはない香りですが、意外と自分では数時間香りが残っているのがわかりました。
日本の方のレビューを見ると、マスカットやオレンジガムを彷彿とさせるという意見がちらほら。
なんとなく理解できるのですが、なんせ日本のマスカットやフルーティーなガムを何年も食べていないので、そもそもマスカットがどんな香りや味だったのか思い出せない…(カナダにも緑色のブドウはありますが、マスカットとはまた全然違う種類です。)
私としては、柚子湯や温泉を思い出すようなホワンとした優しい雰囲気のある香り。
基本甘めなフルーティーですが、よく嗅ぐと柚子の皮のビターさも少し感じられます。
「外国の人がイメージする江戸の香りなのか?」というレビューも複数見られましたが、確かオイエドは日本の女性が調香師だったはず。(日本の調香師の方が、海外受けする和風な香りを目指した可能性もありますけれど。)
これを嗅ぐと、夕暮れの日本の(やや田舎の)住宅街を思い出します。
夕方の家路、角を曲がるとどこかのお宅から漂ってくるホッとするお風呂の香り。それを嗅ぐと私も早く家に帰りたくて自然と足が早くなっていくような。
まだ実家に住んでいた10代の頃のそんな懐かしさを思い出します。
全体的にとても高級感があり、香りもとても素敵なセットでした。
ディプティックはすでにとても人気のあるフレグランスメゾンですが、大納得。ただ、Nordstromがカナダから撤退してしまったこともあり、店頭で試すハードルが上がってしまいました。公式オンラインもアメリカからの発送になるので、送料が痛いのですよね…
今後お店がカナダ国内にももっと増えて試したり購入しやすくなるといいなぁと思います。
May 6, 2023