読書感想:柏葉幸子さんのファンタジー3部作

2月の読書本は、記事が長くなり過ぎないよういくつかに分けて投稿したいと思います。

『Dragons of Autumn Twilight』の次に読んだのは、日本のファンタジー作品界ではとても有名な柏葉幸子さん著のファンタジー3部作。

ご存知の方も多いでしょう。

『霧のむこうのふしぎな町』

『地下室からのふしぎな旅』

『天井うらのふしぎな友だち』

の3作です。

大人の方には懐かしいはず、青い鳥文庫です!3つとも対象年齢は小学校中級から、となっています。

『霧のむこうのふしぎな町』と『地下室からのふしぎな旅』は小学生だった時に読み、今でもその時の本を大切に持っています。

今回読んだのは私が持っているものとは少し違う新装版。

ボランティアをしている日本文化協会には会員が寄付として持ち寄った本などを貸し借りできる、図書コーナーのようなものがあるんです。

そこに寄付したくて今回この3冊を購入。

購入する際に懐かしくて青い鳥文庫の他の本などもみてみたのですが、私が子供の頃とは風貌が変わっていて少しびっくりしました!

柏葉幸子さんの3部作や、クレヨン王国シリーズのような以前からある王道の児童書に加え、最近の新作はライトノベルっぽいものが多いよう。時代ですなぁ。

ライトノベルの定義はいまだによくわかっておりませんが、最近のラノベはタイトルが特徴的ですよね。

どんな主人公がどんな出来事に遭遇するのか分かり易く選び易いと言うことなのでしょうが、設定が奇抜だったり、タイトルだけでネタバレしていたりなかなか面白い。

30代半ばの私は少女漫画のようなイラストの表紙がずらっと並んだ光景を見て、ちょっとびっくりしてしまいました。

私は漫画も大好きですが、漫画のような絵が観たければ漫画を読むので、小説の挿絵は子供の頃からイラストや絵本のようなタッチの方が好みでした。

とはいえね、青い鳥文庫の読者はお子さんや若い方なわけで。

ここで30代半ばの私があれやこれや言うのは筋違いってもんですよ。

昔からある名作だけではなく、「いま実際子供達に望まれ読まれる本」を売るのも大切なこと。変化があるのは当然のことと思います。

(なんだかんだ言って、私もラノベは嫌いじゃないです。たまにネットで読んだりもしますよ。)

こちらの2冊が実際に私が子供の頃から持っているもの。

私はこの繊細でファンタジックなタッチの絵が大好きなのですが、今の若い子が見たら時代を感じるんでしょうねぇ。

新装版の『霧のむこうのふしぎな町』は内容にも一部変更があります。

レビューではその変更があまり好評ではないようで。

私自身はこの変更は正解だったと思います。

絵のトレンドだけじゃなく、言葉も時代と共に変化していくものですから。

その時代の価値観に受け入れられるものに変えるのは良いことだと思います。

新しい表現の方が子供にも薦めやすくて私は好きだなぁ。

ずっと慣れ親しんだものの名称などが変わってしまうことに抵抗がある気持ちもとてもよくわかるんですけどね。

小学生の頃はもっぱら図書館で本を借りるのが私の定番でした。

自分のお小遣いをやりくりして購入する本は、とても好きで何度も繰り返し読みたい特別なものだけ。

だから『霧のむこうのふしぎな町』、『地下室からのふしぎな旅』の2冊も自分にとって大事な本たちです。

実は今回新装版を購入するにあたって初めて3部作だということを知りました。

話の繋がりはなく、それぞれ独立したお話&登場人物ですが、『ふしぎな』が題名に入っていることが共通点。

そんな訳で『天井うらのふしぎな友だち』を読むのは初めて。

この作品にも、ちょっと風変わりだけれど読み進めていくうちにすっかり情が湧いてくる魅力的な登場人物たちが登場します。

3冊をまとめた愛蔵版も出てるんですって!ちょっと欲しい…

3作の中で私が一番好きなのは昔から、『地下室からのふしぎな旅』。

どれも面白いから良し悪しとかは全く関係なくて、単純に『地下室からのふしぎな旅』には編み物の場面があるから、です。

小学生の時すでに編み物を始めていたので、自分の好きなことがファンタジーのお話に登場するのがすごく嬉しかったな。

今も昔も大切にしたい、お子さんはもちろん大人にもおすすめのファンタジー3部作です。

寄付するにあたって、文化協会の会報に載せる短い紹介文のようなものを書くことにしたのですが、読書感想文なんてもう長らく書いてないですし、どのようにしたら興味を持ってもらえるのか悩みました。

ネタバレは避けたい、ただ面白いっていうだけでは好奇心を惹きつけられない。

なかなか難しいものですね。

私の好きな本を、みんなに読んでもらえるといいなぁ。

そういえば、私は小説の巻末にある解説を読むのが結構好きなんです。

この3冊はそれぞれ別の方が解説を担当されているのですが、皆さんそれぞれ『ナルニア国物語』シリーズに触れているんです。

それだけ、『ナルニア』が児童向けファンタジー作品の金字塔ってことなんでしょうね。

映画は何度も観たけれど、原作は3作目くらいまで1度しか読んだことがないので、また読み直してみたくなりました。

Mar 3, 2022

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