読書感想:『すべてがFになる』

みなさんこんにちは。

このブログには管理者が閲覧できるアナリティクス(分析ツール)がありまして、私も時々それを眺めてみるんです。

当ブログは商業ブログではありませんので(PR案件なども未だ無し)、収益などは全く発生しておりません。ただの私の趣味でやっています。(自分のための記録と定期的に文章を書く脳の訓練的な場所も兼ねています。)

なので、分析結果をもとに投稿内容を変えたりすることは今の所なくて、単に私が書きたいことをつらつらと載せているだけ。

それでもやっぱりどんな記事をどのくらい読んでもらっているのか、どんな検索を経てこのブログに辿り着いてくださっているのか、気になるところではあるんですよね。

今まで

カーディガンをショート丈に

という記事が一番閲覧数が多い記事だったんです。(英語版もあるよ。)

2016年に投稿して以来ずっと。

それが!最近!

香水レビューの記事に追い抜かれました〜!(しかも日本語じゃなくて英語の方の記事)。

1位:マルジェラレビュー(英語)

2位:ディプティックレビュー(英語)

3位:ルラボレビュー(英語)

4位:カーディガンをショート丈に

5位:【ダークソウル3】無名の王、そしてエンディング

6位:あみねこ

7位:【ダークソウル3】ラスボス!

8位:【ダークソウル リマスタード】デーモン遺跡&混沌の廃都イザリス

9位:【ダークソウル3】ボス振り返り 後半

10位:ハーマイオニーの靴下

と今現在はなっています。

このブログは主に手芸ブログなはずなのですがそれ以外の投稿の方が大半という…(でも香水の記事もダクソの記事も書くのに時間かかったので嬉しい。)

そしてトップ3は英語で書いた香水記事なのに、日本語で書いた香水記事はトップ30にも入っていないという不思議。

トップ10は日本語の記事が多めですが、トップ50くらいまで範囲を広げると日英半々くらいの結果です。

ちなみに読書感想の投稿は全体的に閲覧数低め、です。

個人のブログで感想を読まなくても、Amazonとか楽天とか読書メーターとかで一気にたくさんのレビューを見ることができますしね(日本語の香水記事もそうなのかも)。

英語の本なのに感想が日本語、というのもちぐはぐで需要と供給が噛み合っていないのかもしれません。

でもそれが逆に珍しい情報ということで、それを探している少数の誰かに届いたら嬉しいなぁなんて思います。

日記じゃなくてブログという形態を選んでいる以上、誰かに読んでもらいたい、共有したいという思いは少なからずあるんです。

でもブログを書いていて一番恩恵を受けているのは他の誰でもない自分だったりします。

あの型紙ってどんな使用感だったっけ?

あのセーターはどんな糸で編んだっけ?

あの本を読んでどんな感想を持ったっけ?

って後々自分で読み返す記録として使いやすいんです、ブログのフォーマットは。

前置きがやたら長くなりましたが、本日の読書感想です!


『すべてがFになる』

森博嗣 作(1996年発行)

 
 

最近とても好きなYouTuberさんが森博嗣さんの作品をよく読んでらしたので、気になって手に取った1冊。

子供の頃は読書が大好きだったのに、大人になるにつれ読書から離れてしまい、大人向けの作品を書いてらっしゃる作家さんを全然知らず…最近は読書系YouTuberさんの動画などで情報収集しています。

森博嗣さんもとっても有名な作家さんで、中でも『すべてがFになる』は人気の高い作品だそう。ドラマ、アニメ、漫画、ゲーム化されているそうです。すごい。

『すべてがFになる』はS&Mシリーズの第1作品目。

S&Mシリーズは、

工学部建築学科助教授、犀川創平(さいかわ そうへい)

工学部建築学科1年生、西之園萌絵(にしのその もえ)

を主人公としたミステリーシリーズ。(森博嗣さんの文章スタイルに沿ってミステリィと書くべきでしょうかね、ここは。)

発行は1996年。

なので、ところどころ時代を感じる描写もありますが、全体的にはさほど違和感はありませんでした。

ただ令和の今に第1作目が発行されるとしたら、主役二人の年齢差がもう少し小さく設定されるのかもなー?とは思いました。犀川と萌絵ちゃんは13歳差だったはずなので、大人同士であれば気にならない程度の差ですが。

何となく、助教授(今でいう准教授)は何歳くらいからなれるのかと検索してみました。

博士課程を修了後かなーりスムーズにラッキーに行けば27、8歳でなれなくもないそうです。

令和だったら萌絵ちゃんが大学3、4年とか院生で、犀川も准教授なりたて、もしくはポスドクとか助教だったりしたのかな、なんて。(調べたらドラマではやっぱり萌絵は大学3年設定だった。)

最初はちょっと年齢差が気になったものの、

犀川は飄々としているというか人間味がないというか、生々しさがないような人ですし、萌絵ちゃんは萌絵ちゃんで世間の枠にハマらないキャラですので、だんだん気にならなくなったかも。(それに別に今のところ二人はどうこうなってるわけではないですし。)

その萌絵ちゃんですが、レビューを読んでいると好きか嫌いか結構分かれるキャラクターのようです。

私は好きでした!

なんかエル・ウッズ味があっていいな、と。(エル・ウッズは映画『キューティ・ブロンド』の主人公。)

エル・ウッズは最初周りから「ブランドファッション好きなステレオタイプなブロンド女性」としか見られていなかったものの、一念発起して弁護士になる、というサクセスストーリーの主人公。

対する萌絵は最初からとても頭脳明晰、優秀な人として描かれているという大きな違いはあるんですが。

どんなところでも自分のファッションを貫くとことか、そんな彼女をどう扱っていいか戸惑う周りの反応とか、周りには変に影響され過ぎず自分らしさ(良くも悪くも)を持っているところがエル・ウッズっぽいなと。

といってもS&Mシリーズは全部で10作ありますし、その後の別シリーズでも二人はちょこちょこ登場するんだそう。だから今後どうなっていくのかわかりませんが…

そして肝心なトリックの方は…

聞いていた通りのバリバリ理系だった!(私は思いっきり文系の人間です。)

大まかな内容や流れは掴めたので大筋の理解はそれなりにできたと思うのですが、具体的なプログラミングの話とかはよくわからなかった、というのが正直なところ。

フロントエンドのコーディングはほんのちょっと触りだけ習ったことがあるんですが、そのおかげで「単語だけはどこかでみたことある」というものはいくつかありました。(それがなかったらますます何のこっちゃ分からなかったと思うので、いつどこでどんな経験が何の役に立つのかは分からないものですねぇ。)

あとこれは、私が大好きなSF小説『星を継ぐもの』を読んだ際にも思ったのですが、理系作者のテクノロジーに関する先見の明が凄すぎ。

森博嗣さんはご自身も工学者であり助教授を務めてらしたそう。

科学者とか理系学者って、

今普及しているテクノロジー

今学者が研究しているテクノロジー

あと数年で運用可能なテクノロジー

などなどを考慮して、どのくらい先までどの程度の進歩があるのか予測することができるんでしょうね?

50年くらい先の進歩具合は予想できるのかなぁ?

そんな感じでゴリゴリ理系。

なのですが、交わされる会話が哲学的なんです。

昨今のAIなんかもそうですが科学の発達や新しい技術というのは、それを使う上での倫理観や哲学的な話と切り離せないということでしょうか。

だからこそこの作品も、色々な人に支持されているのだろうなと思います。

読了感としては、

「いやー全部解決した!スッキリした!」

というわけではなく。

諸々ちゃんと解決はするんだけど、最後は色々と読者の方でも考える余韻が残る感じでした。

「ミステリー小説」の中に登場する探偵ポジションの登場人物は、

とにかくどんな事件でも犯人は捕まえて警察に渡す、蝶ネクタイの見た目は子供な探偵タイプ

犯人逮捕は警察の仕事。名探偵の仕事はみんなが笑顔になれるように事件を解決すること、な夢水清志郎タイプ

がいると思っているんです。

『すべてがFになる』は犀川が探偵役だと思うんですが、犀川はそのどちらとも違う。

もちろん、彼は探偵でも刑事でもないですから、「探偵の美学」というものは持ち合わせていないのでしょう。(少なくともこの時点では。)

シリーズを通して、犀川&萌絵がどんな風に犯人と対峙していくのか気になるところではあります。

実は、今作を読んでいる時、

「昔は推理小説が一番好きなジャンルだったのに、今は素直にワクワクできないかもなぁ」

と思っていたんです。

子供の頃は深く考えてなかったけど、大人になってからはフィクションというフィルターを通しても、人が命を落とすのはちょっと辛くて。

でも小説を読むのって(映画でもドラマでも漫画でも同じく)、心の可動域を広げるというか…感情を動かすことにも意味があると思うんです。(やり過ぎにも注意ですけど。)

だから、これから事件との関わりを通して犀川&萌絵にどんな変化があるのか、ちょっとみてみたいなという気もします。

ということで、少なくともあと1、2冊は読んでみようかなと思っております。

これの前に読んでいた『Iron Flame』が、(物理的に)すごく大きい本だったんですよ。

ハードカバーで約16 x 5 x 23 cm。

数字だけ見るとピンとこないですが、手に持つと思わず「でか!」と言いたくなる大きさと重さ。

『すべてがFになる』は文庫本で約10 x 2 x 15 cm。

Kindle版だと、『Iron Flame』が884ページ、『すべてがFになる』が434ページ。

ページ数に大きな違いがあるだけじゃなく、『Iron Flame』は英語(つまり私の第二言語)なので読むのに時間がかかって。

それと比べ『すべてがFになる』はちょうどいい長さで割と早く読み終えることができたので、シリーズ数は多くとも、手に取りやすいな〜と思いました。

さて、次は何を読もうかな。

S&Mシリーズの続編でもいいし、他にも読みたい本はたくさんあるし、幸せな悩みです。

(おまけ)

最後の最後に『すべてがFになる』のタイトルに関するネタバレ要素を含んだ話をします。

準備はいいですか、この先ネタバレがありますよ。

作中のFとはなんぞやという解説の場面で、

Fが並んだところを見て既視感があるなぁ〜と思ったのですが…

あぁ、私にとって#ffffffはヘックスカラーコードの白だからかぁ。

なんて思ったんですよね。

前述のフロントエンドコーディング(ウェブデベロッパー的なやつ)を習った時も使ったし、仕事でフォトショップ等のツールを使う時にもよく登場する。

で、ちょっとググってみたのですがそもそもヘックスカラーコードが16進数を使ったコード。

うん?そういえばヘックスってHexadecimal…

コーディングの先生もそう言ってた…

Hexadecimal=16進数…

というすっっっごく今更な気づきがありました。

今更すぎて自分でもちょっとびっくりしちゃった。

それくらい数字に関することが苦手。

ついでにいうとウェブ構築の勉強も楽しかったけど、自分の脳は生粋のデベロッパー脳ではなさそうだなぁと思った記憶も蘇ってきました。

16進数についてもググってみたものの、分かったような分からないような。

来世があるなら、もう少しこの手の話にピーン!と来るような頭脳を持ちたいです。

Jan 27, 2024

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