読書感想:『Two Twisted Crowns』
最近読み終えた『One Dark Window』の続編です。
『Two Twisted Crowns』Rachel Gillig 作(2023年発行)
前作の感想で、
「本の長さ、話が進むペース、登場人物の心情の描かれ方など様々なものが自分にとってちょうどよく、心地よく読めた」
と書きました。
続編にして完結作である『Two Twisted Crowns』も同じく、でした。
最初から最後までとてもスムーズに楽しく読めました。
このデュオロジー(二部作)はゴシックファンタジー。
ゴシック小説のモチーフの定番である、宿命、古城、廃墟、幽霊などもちゃんと出てきます。
全編通して、仄暗く不気味な雰囲気に好奇心を掻き立てられます。
かといってホラーのような怖さやドッキリはないので、ホラーが苦手な私でも問題なく読める作品でした。
簡単なあらすじは『One Dark Window』をご参照ください。
前作では主人公エルスペスの目線を通してお話が語られていました。
今作ではエルスペスに加え、準主役2人の目線も加わります。
道理の通った目線の転換なため違和感はありません。
むしろこの目線の切り替えによって、キャラクターそれぞれの葛藤や性格などをより知ることができてとても良かったです。
現在起こっていることと並行して過去の歴史が紐解かれていくのですが、不自然にドカドカと情報を詰め込むのではなく、キャラクターを追っていくことで少しずつ分かっていく感じ。
前作ではエルスペスの恋愛が副テーマとして描かれていましたが、今作では他のキャラクターの恋愛にスポットが当てられていたところも面白かったです。
同じカップルの話を引き延ばそうとすると、意味のない喧嘩(とそれを乗り越える様子)などが描かれて蛇足になりがち。そういった部分が全くなかったのが個人的に好印象でした。
前作では準主役だったRavyn、Elm、Ioneですが、今作はElspethとNightmereも含め全員主役でいいのではないかな、といった感じ。
真っ白の聖人というわけではなくそれぞれ色々なものを抱えている人たちですが、そういう部分も含めてみんなとても好印象。
私は特にIoneが好きでした。
前作はクリフハンガーで終わりましたが、今作は完結作。
ちゃんと最後色々とスッキリ終わって大満足。
色々書きたいことはあるのですが…ネタバレなしで書くのは難しそうなので今回はこの辺で。
ゴシックファンタジー、恋愛要素もあるファンタジー、魔法や架空の国の歴史が登場するお話、あまり長すぎず綺麗にまとまるお話、などが好きな人にはお薦めできると思います!
とっても好きな作品だったので、いずれまた読み返したいシリーズとなりました。
Jul 31, 2024